朝香式『パンゲア5』大切な人を取り戻す選択の物語。
誰にでも「役割」がある。 その行動の1つ1つが、世界のバランスを保っている。
朝香 式さんの『パンゲア5』を読みました。 一気に読んだ。
パンゲア大陸が割れてしまった世界線の物語
何を言ってるかって??私にもよくわからない。
大学の時の大切な仲間5人。 ある事件がきっかけで、そのバランスが崩れる。 かつての仲間は集まることが出来るのだろうか。
みんなの憧れのアイツがすごいお坊さんになってるし、アイツはヤンデレ気味。 俺は俺で不眠症だし、アイツは夫婦関係の危機だし、アイツの子供は大丈夫か?? そしてこの未成年はなんでこんなに優しいんだ、甘えちゃうだろう。
大まかなストーリーはこんな感じ。
日常の裏側、というよりは、ページを少しめくったところみたいな。 美しいファンタジーでした。
実は、最初の数ページは本当に読みづらかった。 世界観についていけないというか、何度もページを行ったり来たり。 あれ?私、何か読み落とした??みたいな。
ただ、なんか先が気になって、よくわからないから先を読んでいくうちに、グイグイ引き込まれてあっという間に読みました。
自分の過去を思い出す
主要な登場人物は5人だけど、誰でも誰かのどこかに共感ができる気がします。
私はこの辺りだろうか、いやはや、もっと不器用だったぞ。 わかるわかる、その感覚わかる。 すごい共感できる。
思い出すと同時に、胸が懐かしく甘酸っぱくなるのと、戻れない悲しさや切なさがこみ上げてきました。 少し泣いた。
少しじゃない、ところどころ、なんか泣いた。 感動系じゃないのに。 心を動かされるってこういうことなんだろうな。
キープ・オン・バランシング!
バランスをとることを楽しむ。 変化を楽しむ。 自分だ、自分じゃないではなくて、存在することを楽しむ。
すごい当たり前だけど、考え出すと難しい。 眠り方を忘れて眠れない、みたいな。 デビット・リンチを見たことないけど、きっとこんな感じなんだろうな。
グイグイとものすごい力で引っ張られる、面白い小説でした。 読み始めると止まらなくて眠れなくなります。
休日前夜に読むことをお勧めします。